2009-06-05

倚りかからず

今日は、午前中にチャリティーコンサートの“合わせ”を悪戦苦闘(何が悪戦苦闘だったのかは秘密)のうちに済ませて
午後からは、とある方とちょっとした打ち合わせの為、ピアニスト宅を後にした。

大の蕎麦好きの“その方”。
大分県で唯一私が認めた蕎麦をぜひ食べて欲しいと、ある蕎麦屋さんへ案内してくださった。
身近なところにありながら、全く知らないお店だった。

こざっぱりした暖簾の脇に、「十割蕎麦」と貼紙がしてあった。

蕎麦通のその方は、おいしい蕎麦があると聞けば、日本全国どこへでも行く自由人。
先日は、そばを食べる為だけに茨城まで行ってきたと席に着きながら話してくれたけど
蕎麦のために茨城まで行くのかと、その行動力に驚いた。
正直を言えば、“うどん”派の私が、その美味しさを理解できるかなと言う不安が少しあった(笑)


メニュー表を広げていると

店主が「○○さん、今日は何にしますか?」

○○さんは「“蕎麦がき”と“ざる”でよろしく」と言ってこちらを見て
「まぁ、任せておいて。美味しいのがでてくるから」と言った。

どうも、常連らしい。それに注文の仕方も通っぽい。

出された蕎麦がきは、ココのおかみさんが焼いたというセンスの良い器の上に乗って登場。
まずは大根おろしで半分いただき、残りの半分はワサビでいただいた。
辛くて辛くて美味しかった…

それから、ざる蕎麦。

丁寧にざるに盛られた蕎麦が美しくて、そして初めて出会った味だった。

(これが本物の蕎麦か…)



ちょっとした打ち合わせをした後、
その方が「ぜひ読んで欲しいから」と言って、バッグから一冊の詩集を取り出した。


倚りかからず (ちくま文庫)


ハードカバーの表紙には、チェロと椅子の絵があった。
ぱらぱらとめくってみる。
最初の詩を読んでみると
行間の間から
ふぅーっと風が通り過ぎていくような、素敵な詩だった。

てっきり、お借りするものと思い、「お借りします」と言ってバッグにしまおうとすると、なんとプレゼントという。この詩集は好きだから自分も持っているんだけど、そうだtsuboさんにぜひ読んで欲しいな…と思ったんだそうな。

「え〜?いいのですか?」と目をパチクリしていたら、蕎麦までご馳走になってしまった。

「私の方が年上なんだから、いいんですよ」と仰ってくださったのだが、いっぺんに二つ贈り物が来てしまって、恐縮してしまった。

一時間くらいの間でした。
ふるまいが自然で遠慮させない空気。
さりげなかった。
一本とられた感じです。



これからいただいた詩集を少し読んで寝るとします。






そうそう、

“その方”は女性ですよ。悪しからず(笑)
さりげなく贈り物ができるのっていいですね。
そういう大人になりたいもんです。


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2 件のコメント:

hoson さんのコメント...

tsuboさん☆こんにちは♪
お久しぶりです~。
本物の味、どんなんやろ~。
初めて出会う味って衝撃でしょうね!
そして、詩集の贈り物、素敵ですね。

tsubo さんのコメント...

>hosonさん
こんにちは〜
蕎麦のこと良く知らないんですけど、
本物の味ってこれのことかな?と。
感覚的なものなんですけどね(笑)